平成社会の事象探求

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◆第88回「知恵の会」例会◆
「すずめ・雀」発表内容一覧表
(参会者21名)

資料番号発表題目発表者氏名概要
88-01すずめ(雀)
石田天佑喪の雀を碓女・雉を哭女」 ササ・すず・雀の古語、サザキ。大雀・仁徳天皇。
88-02仁徳天皇はなぜ大雀命か吉田金彦 ササギ・ササイ・ササの系列。サ・イサ・ソ・イソ「磯」。難波・磯の開拓に尽力した人物が仁徳帝。 「イサ(磯)の単語家族図」。
88-03もうひとつの舌切り雀斉藤幸雄 宇治拾遺物語と日本昔話名彙。二つの違い、報恩型と難題型。 実方の雀となる話・「桃太郎発端話」葛飾北斎の挿し絵。太宰治「舌切雀」
88-04雀報恩事(宇治拾遺物語)糸井通浩 スズメ・カモメの「メ」群がる意。ススは昔「シュシュ」→「ちょっちょっ」→・「チュンチュン」への変化。 「し」と「ち」の変化。A型「腰折れ雀」、B型「舌切雀」。 夫婦型・隣の爺・婆型。雀の宿へ難題型。葛籠の中身。
88-05雀の物語ほか高橋喜一 雀の発心・勧学院物語・鴉鷺物語の鳥の種類。 雀目(雲雀科・燕科・鶺鴒科・モズ科・カラス科など種類が多い)。
88-06黄表紙「桃太郎発端話説」小寺慶昭 山東京伝。挿し絵・春朗(のちの葛飾北斎)。寛政3年(1791)手鎖50日の処分。 蔦屋重三郎家財半減の処分。翌年に出版。実方雀をもてなす正直夫婦。慳貪(けんどん)婆。 入内雀。雀が蛤に。正直者爺婆は金持ちに。慳貪婆は鬼の住処へ。鬼が財産を奪う。 桃で若返った老夫婦に桃太郎誕生。そして鬼退治に出発。
88-07仏典に見られる雀に関連して龍口明生 雀は婬欲の盛んなもの。貪欲(どんよく)・瞋恚(しんい)・愚痴(ぐち)の三毒。 淫欲の雀。瞋恚の蛇蝮。愚痴の猪羊。雀の跳ねる様を非難され禁止。 掌中の雀児「生きているか死んでいるか」の難問に、門の玄関で出るか入るつもりか、と世尊は答えた。
88-08雀不知の地名伊郷好文 「雀」地名。東北と九州に多い。茨城県「雀神社」苦しむ雀に仲間の雀が薬草で介抱。腹に針。 妻と間男に殺され掛けた男、その薬草で助かる。雀の黒焼きは漢方薬。雀の民話
88-09京都の「朱雀」地名について清水弘 朱雀大路。「朱雀」村。「しゅじゃく」と「すざく」の読み方。朱雀第一・第八。 但し第五は朱雀中学。朱雀高校は朱雀門跡の近く。
88-10雀になった実方中西久幸 平安歌人・藤原実方。行成の冠を落とし捨てた。陸奥守に左遷。訃報。 内裏の台盤(食事の台)に止まる実方雀。更雀寺・雀塚。勧学院跡。
88-11雀踊り二話岩田貢 仙台雀踊り。堺雀踊り。「よさこい踊り」。鳴子。北斎漫画の「雀踊り」。建築の雀踊。 足場の雀足場。
88-12稲荷神社の雀・焼き鳥・スズメのお宿・『京雀』を書いた浅井了意山嵜泰正 @焼き鳥減は中国輸出禁止。A宇治拾遺。B太宰「舌切り雀」。C京雀を書いた浅井了意。 「伽婢子」の牡丹灯籠・人面瘡の話
<参考メモ書き>   発表番号88ー08「雀不知の地名」への補足参考事項
 (その1)全国に「雀」の文字を用いた地名が多く確認されていて、都道府県順では、
     (1)福島県(2)鹿児島県(3)奈良県
 (その2)大阪府下の「雀不知」
      大阪府下では、箕面市白島の地区の字名に「雀不知」がある。
      いかなる由来に依るのか、発表者の一つの意見は、
     「当該地区内は萱野で、かの赤穂浪士討ち入りで有名な萱野三平の家が現存しているところ。
      三平は浅野内匠頭の変事を赤穂城下へ伝えるべく早駕籠で西国街道を下っていた。
      実家の前にさしかかったとき肉親(母親)の葬儀に遭遇したが、法事も済ませず、赤穂へと急いだ。
      親不孝をしたことになる。
      雀の民話の中に「雀は親の危篤の報に接し、取るものも取りあえず、急遽駆けつけて、親の死に目に
      間に合った」という話がある。
      雀を見習うべきと言う批判の意味で、三平宅付近の地名を「雀の親孝行を見習え」とばかり
     「雀不知」としたということか。(講談の補足に採り上げられそうです。)
 (その3)京都市内では、東山区泉涌寺雀ヶ森町がある。
      東大路通りの「泉涌寺道」交差点から南側、京都第一赤十字病院一帯が当該町内となり、
      泉涌寺の門前町一帯の名前の一部。

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更新日
平成21年9月29日

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