平成社会の事象探求

ようこそ知恵の会
(ひとつの素材を多角的に、細分化し、認識を深める)

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◆第78回「知恵の会」例会◆
「かご・駕籠・籠・歌語など」発表内容一覧表
(参会者23名)

資料番号発表題目発表者氏名概要
78-01「かご」石田天祐 万葉集「籠もよ」、源氏「かごかに」
宇津保「かごやかに」
78-02籠の語句調べ中洌正堯 籠の作用面から、形態面からの分類
78-03輿から駕籠へ高橋喜一文献上も平安・鎌倉・室町の変化。
編駄(あんた)。腕から肩の担ぎへ。
78-04駕籠の井伊大老山嵜泰正 万延元年(1860)3月3日、桜田門外の変。
銃声と井伊直弼暗殺
78-05江戸文芸での「駕籠屋」中西久幸駕籠の種類と身分。
落語の「駕籠」
78-06中山道・馬籠と妻籠清水 弘中山道・島崎藤村・二つの宿場
78-07幼児の処刑@斬刑 A水刑斉藤幸雄保元・平家物語、義経記
「罧・ふしづけ・しのづけ」」 柴漬け
78-08「かごめかごめ」の謎小寺慶昭歌碑・千葉県野田市。地方の違い。
五芒星セーマンとカゴメ籠目六芒星ドーマン。
邪視と「目の力」。「籠の呪術」
78-09現代短歌における「籠」西岡山誠人「籠鳥」と「花籠」
78-10駕籠に乗れる県、乗れない県岩田貢軌道・ロープウェイとリフト、ゴンドラ。
スキー場と観光地
78-11今宮「えびす」宝恵駕籠伊郷好文今宮戎神社「十日戎」での 女人駕籠の祭事

<追加関連情報(その1):「罧原」>

今回発表資料78−07(斉藤幸雄)にて言及された
「罧・ふしづけ・しのづけ」(下記抜粋文参照方)に関係して、
四條通松尾大社前松尾橋東詰め交差点(梅津の里の桂川堤に相当)の地域名が
「罧原堤四條となっている」という追加情報あり。
現地の写真を添付します。
(地名の由来については「中世の軍記」物との関係その他、更なる情報を収集する必要有り。)   


(上左)松尾橋上から四条通の東方(橋を渡ったところが「罧原堤四條」交差点
(上右)松尾橋東詰め「罧原堤四條」交差点
(下)交差点の地名表示(下左)(四条通方向)(下右)(桂川堤防地点)

<78−07>抜粋文「中世軍記にみる幼児の処刑方法」

(1)一斬刑 2 平家物語(巻十一 副将被斬)
   ・・・其後五六日して桂河に、女房二人身をなげたる事ありけり。 
  (参考)中世では、鴨川は現在のように絶え間なく、水が流れていなかったようで、
     鴨の河原と言われるとおり。桂川は、身投げできるだけの水量があったか。

(2)二水刑 2 曽我物語(巻二)
   *「柴漬」は、「罪人を簀巻にして水中に投げること。罧(しのづけ)」(『広辞苑』)

(3)二水刑 3 源平闘諍録(十 頼朝の子息、千鶴御前失はるる事)
   ・・・情け無く沈めを付け、罧(ふしづけ)にすることこそ糸惜けれ。

(4)二水刑 5 延慶本平家物語(十一ー丗 大臣殿父子関東へ下給事)
   スデニ桂川ニ近ク成ケレバ女房達・・・片淵ノ有ケル所ニテ輿ヨリダキ出シケレバ、・・・
   カクシタタメテ水ヘ投入ケレバ二人の女房ツヅキテ入リケルヲ・・・・

参考メモ(その1):「罧原堤」

(1)京都市右京区「罧原」地名資料(京都市発行「史料京都の歴史」全16巻・1994年1月
   平凡社の第14巻右京区、あるいは淡交社「京都大事典」など)に依りますと、
   「右京区嵐山(下嵯峨村南端)から松尾橋までの桂川(大堰川)左岸堤防堤沿い(約1km)
   に嵯峨罧原町、梅津罧原町あり。堤上の罧原通りは四条通西延長部と嵐山を結ぶ幹線道路に
   なっている。」
(2)引用されている「雍州府志」には、
   「付近に古く船橋氏の所領あり、後に同氏庶流が伏原家を名乗るのは古来のこの地名によると
   いう。罧原の由来は不詳。」

参考メモ(その2):「罧」の漢和辞典情報

 「罧」の漢字は、諸橋徹次「修訂版大漢和辞典」巻九・昭和33年12月、あるいは
  服部宇之吉・小柳司気太「詳解漢和大字典」大正5年12月(冨山房)などに
  依りますと、よみは「シン リン」で、字義は「ふしづけ、柴を水中に積んで
    魚を聚め捕らえるしかけ。」
 「罧」の冠部分は、「あみがしら」と呼ばれるように、「網」の古字とされる。
  したがって、罧原地区が魚を捕る網と何らかの関係がある土地柄であったと
  考えうる。しかし、地名事典では、「罧原の由来は不詳」とする。

<追加関連情報(その2):「宝恵かご」>

 今回追加提供情報(伊郷好文氏)にて言及された「宝恵かご」に関して新聞情報がありました。
 夏越し祓えの6月30日、現代の大阪の町では、無事に夏を過ごせたという「夏越しの祓へ」では
なくて、「これからやってくる夏を無事に過ごしたい」という「大阪の町に夏の到来を告げる
『愛染まつり』」に登場した「車輪付の宝恵かご」のニュースです。

(朝日新聞記事・平成20年7月1日付け)

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更新日
平成20年6月20日

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