◆第109回「知恵の会」例会◆
「ただよう・漂流」発表内容一覧表
大宮学舎第101号室(参会者24名)
平成24年7月15日(日) |
資料番号 | 発表題目 | 発表者氏名 | 概 要 |
109-01 | 「ただよう」(漂)の語源について | 吉田金彦 |
「ただよう」の語源検討。<ただ>は副詞「徒(ただ)・<よう>は緩やかな動きを現す接尾語と提言。
『古事記』巻頭言で太安万侶も太平洋プレートに「ただよう」日本列島の実体を予言したか。 |
109-02 | 漂流 | 明川忠夫 |
漂着神(流れ着いたものと水底から打ち上げられたものあり)には、スクナビコナ、オオモノヌシ、ヒルコなど。
実体を神像・神体、貴種、始祖、動物神、石神・玉などより分類。うつぼ舟漂着伝承は南方海洋流域に多い。
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109-03 | 江戸漂流・遍歴奇譚 | 斎藤幸雄 |
江戸漂流記の例として、御伽草子、仮名草子、浮世草子、戯作などの漂流場面を取りあげる。いずれも諸国遍歴
物的要素で共通している。 |
109-04 | 漂う”清き一票” | 岩田貢 |
選挙での「浮動票」なる中味を、政党支持率、自民党支持率、無党派層などの観点で、内容を検討。
日本に民主主義選挙が挙行されて、60数年経ち、最近になって漸く一般有権者の手中にゆだねられつつ
あるとみるべきか。 |
109-05 | 「太平洋484日間の漂流」「督乗丸の奇跡」 | 清水弘 |
文化10年10月から文化14年3月まで、太平洋を漂流した船頭重吉(28歳)と14人の乗組員の不撓不屈の漂流記。 |
109-06 | 漂流(ただよふ)ー「空ろ船」考 | 糸井通浩 |
あちら(彼岸・あの世)からこちら(此岸・この世)へ寄り来るものとしての真空の乗り物「空ろ船」考。
基本話型は「若い娘」あるいは「若い娘と赤子」。 |
109-07 | 「漂流」 | 梅谷繁樹 |
故郷喪失(近代の都市民の原郷)、故郷回帰願望 喪失の受認、「悲哀と希望」まとまらぬ心の広がり。
事例:「椰子の実」「旅愁」「故郷を離るる歌」「ヒョッコリヒョウタン」「越後獅子の歌」
「故郷の廃家」など。「船長日記」「今昔物語」「丹後國風土記」など。 |
109-08 | 山頭火の旅 | 小寺慶昭 |
漂泊する俳人の代表とされた山頭火を、その先人である松尾芭蕉と比較しつつ、実体をさぐる。「放下着」と
唱えながら、一方で「行乞」を繰り返し、俳句造りと酒にひたる行動の繰り返し。彼の俳友による「山頭火伝説」の
かずかず。 |
109-09 | 「ただよう(漂流・漂泊)」ー由良の門をわたる舟ー | 中西久幸 |
曽祢好忠百人一首歌の「ゆら」比定三所と「かぢを」の解釈について、「ただよう」のオノマトペ言語として
「ゆら」「ゆらり」 |
109-10 | 植物の漂流 | 中洌正堯 |
島崎藤村の「椰子の実」歌曲。種子散布による「生命のリレー」各種形態。事例:侵略的外来種、ワカメ(水生植物)、イタドリ・クズ・チガヤ(陸生植物)など。
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109-11 | さすらいの陶工(子鹿田焼(おんた)の二人の開祖) | 石原滝子 |
福岡県日田市に伝わる陶器「おんた焼き」400年の歴史をたどる。文禄慶長の役で俘虜として連れて帰った陶工の
歴史で昭和45年に国無形文化財になる。その後も一子相伝で窯元10軒が歴史を繋いでいる。
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109-12 | 漂流する神・恵比須 | 石田天佑 |
イザナギとイザナミの間に生まれたヒルコ「蛭子」は、海を漂流する内にエビス神に生まれ変わり、
やがて商売繁盛の福徳神となる。
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109-13 | 漂流 | 井上隆夫 |
(1)漂流物がひしめく現世”ズワイガニとミシン、失禁パンツとナイフの漂着。(2)その源流(芸術乗での精神の解放・自由)。Max Ernst、Andre Breton,エヴァンゲリストとしての私の仕事(作品紹介)。
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