◆第107回「知恵の会」例会◆
「うそ・嘘・虚事」発表内容一覧表
大宮学舎第101号室(参会者33名)
平成24年4月1日(日) |
資料番号 | 発表題目 | 発表者氏名 | 概 要 |
107-01 | ウソ・嘘 | 石田天佑 |
usi失うuse失せる uso嘘。真実が失われる。喪失。浅薄。ese。似非えせ。 |
107-02 | うそ「嘘」の語源 | 吉田金彦 |
内空。薄き。虚。嘯く。空蝉。「嘘」の反対「マコト」。失う→臼・羅臼・臼杵。外海と内海。 |
107-03 | うそ・まこと。 | 糸井通浩 |
日中英語。日本語の嘘はかなり廣く使用。中国語「故説」英lie。うそを吐(つ)く。芸事は虚構。虚と実の関係。偽・仮・虚・嘘。欺く。 |
107-04 | 狸寝入りはウソかホントか | 岩田貢 |
ネコのひげ(探知機)。スルメ(食べ過ぎ)。マタタビ(陶酔)。喉をならす(気持ちがいい)。ツメを研ぐ(古い爪落ち)。狸のショック状態。人間の勝手な価値判断。 |
107-05 | ウソ・聖俗の間にある虚大・巨大さ | 梅谷繁樹 |
神仏に仕える者・聖職者は無信仰(杉本苑子)徳のある高僧の「なあむあみーだふう」の有り難み。(中村元「往生要集」) |
107-06 | 嘘 | 山中さちこ |
生け花・華道の活け方・自然の法則。人為的に虚実を混ぜるバランス。虚実等分。陰陽和合。野外と造形。人工的な美。 |
107-07 | 虚言と虚事。絵空事。 | 井上隆夫 |
遠近法。単視点と多視点。ダ・ヴィンチ。セザンヌ。ピカソ。二次元の画面に三次元。紙はパピルスではない。親鸞の善人・悪人。往生する場では人間は善悪の差無し。 |
107-08 | 嘘か真かブランド品 | 石原滝子 |
中国人観光客が日本でブランド品を買う。本物を求める。25年前の韓国イチョンで買った陶器。陶芸家の作品・実物持参。 |
107-09 | 虚事・間違いを教えるな | 中洌正堯 |
春の唱歌「夕月かかりて匂ひ淡し」匂いは触覚か嗅覚か。風味・隠し味とは |
107-10 | 「ウソツキクラブ短信」講談社(うその効用) | 伊郷好文 |
河合隼雄。ジャン・ジュネ(悪人・悪の限りを反省)をポンピドーは「聖人」と言った。「嘘は人間関係を円滑にする」と大牟田雄三。 |
107-11 | 接頭辞「ウソ」の消長 | 来田隆 |
ウソ+名詞・動詞・形容詞・形容動詞。ウス+。ウス濃度の程度。日葡辞典Vso虚言・うそ甘い |
107-12 | 源氏物語蛍の巻「いつはり」と「そらごと」 | 高橋喜一 |
いつはり「物語」。そらごと「作り話」神代の昔からこの世の伝承。物語は人間世界の説得的詳細を語る。御法、方便。 |
107-13 | 平家による南都焼き討ちの「うそ」と「ほんと」 | 堀田悟史 |
奈良炎上。覚一本「南都の大衆に平家60余人首を切られ」清盛が怒り、重衡が放火。延慶本清盛・重衡実行。信円(忠通の子)の存在。 |
107-14 | 「百姓・町人の苗字・帯刀の禁止」はうそ | 清水弘 |
歴史の記述。江戸の身分制度。芭蕉は小身。軽輩の武士。台所用人。農人。脱藩。芭蕉の門人。屋号。百姓町人に苗字帯刀を禁止(徳川禁令考) |
107-15 | イエス・キリスト最期の「嘘」 | 冨貴高司 |
マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ。神は「私をお見捨てに」と「神の御手にゆだね」の落差。 |
107-16 | 嘘・AprilFoolの由来。大石内蔵助と忠臣蔵 | 山嵜泰正 |
1564年→グレゴリオ暦1582年訂正。マリアの懐妊日。4月馬鹿。日本の風習・嘘はがし12月8日(釈迦の悟り)。忠臣蔵「咎なくて死す」。近松門左衛門の「虚実の皮膜」。 |
107-17 | うそ替え神事 | 小寺慶昭 |
鷽替え・鷽は天神様の守り鳥。嘘を誠に。貝原益軒1628年太宰府天満宮1月7日。大坂・亀戸天満宮は1812〜20年頃。「天神と鷽」関係は嘘。ヲソは口笛。嘯(うそぶ)く。「神おろし」と関連 |
107-18 | 近代作家による「偽文書」創作。 | 斉藤幸雄 |
谷崎「武州公秘話」「聞書抄」「春琴抄」。円地文子「なまみこ物語」。水上勉「流れ公方記」瀬戸内寂聴「藤壺」。創作・偽文書が読者をだませばむしろ誉れ。丸谷才一「輝く日の宮」幻の巻。源氏脱落部分を考察。 |
107-19 | 野口英世の「偉人になるための虚構の実学」 | 中西久幸 |
渡辺淳一「遠い落日」。野口は嘘を処世術にした男。借金王。口から出任せ。女遊び。野口少年親孝行。箕面の滝(孝養の滝・頼山陽)。銅像建設。新聞資料(伊郷氏収集品) |