第006話「死は背後より」 (徒然草:第155段より) |
ーーーーーーーー 箴言の箇条書き ーーーーーーーー (1)万物の四相(生住異滅)の転変ははげしい川の流れの如し。 (2)人事の有為転変(生老病死)は、はげしい川の流れ以上である。 (3)死は前より来たらず、かねて後ろに迫れり。 (4)「人皆死あることを知りて、待つこと、しかも急ならざるに、覚えずして来る。」 |
********** 平成の閑談 ********* 兼好法師より130年前の大先輩「方丈記」筆者鴨長明先師の言を借りて、当該箴言を 年が明けると共に、兼好法師の箴言をひしひしと感じるところです。はや旧年になる 同じ頃、更に身近な兄弟の仮死事態を事後知り、もうここまで死の影が感じられますと、 ところで兼好法師ご自身如何であったのでしょうか。ご本人も若いときは、「徒然草」のような |
************* 世事雑感 ************* 如何なる時に死を感じるのか? 古今和歌集歌人達の数々の哀傷歌を見れば、何時の世も代わらない「人の死」に対する 感情を抱いていたことがわかります。 まずは、身近な人の死に直面したとき。 つぎに自分が病の床に就いたとき。 さらに新古今和歌集の中の慈円大僧正の言葉を借りれば、一般に人々の「死に対する さて、死を予感した後、どうすればいいのか?兼好法師は最低限の義務履行事項を 因みに兼好法師の大先達鴨長明は、次のように「方丈記」を結んでいます。 |
************ 参考メモ欄 ************ ーーーーーーーーーーーーーーー 辞世のいろいろ ーーーーーーーーーーーーーーー この世に別れを告げていく人が発する感情の吐露は、「辞世」の歌や句となって残されて 臨刑和歌としては、古来有名な歌が多くあり、万葉集では、有間皇子(巻2−141,142番)、 そこで、「辞世歌の予行演習」結果は次の通りです。 |